京都大学 学術研究展開センター Kyoto University Research Administration

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L-INSIGHTグローバルフィールド起動プログラム(豪州メルボルン大学)に協力しました(2023年2月27日~3月3日)

03.13 (Mon)2023

2023年2月27日から5日間の日程で、オーストラリアメルボルン大学においてグローバルフィールド起動プログラム(豪州)が開催されました。このプログラムは、本学のL-INSIGHTプログラムが主催したもので、L-INSIGHTフェロー及びフェロー研究室所属大学院生8名が参加。京都大学学術研究展開センター(KURA)からは佐々木 結 URAが、同プログラム 仲野 安紗 特定准教授と共同で現地での講義シリーズを企画、講師との調整や当日のモデレーションを行いました。
オーストラリアの大学では、2018年にEngagement and Impact(EI)評価が導入されたこともあり、研究成果が社会に与えるインパクトだけでなく、さらに踏み込んだ社会の様々なステークホルダーとの直接的なエンゲージメント(連携)を意識した研究を促す環境が注目されています。そこで、世界視力をもつ次世代トップ研究者のあり方を模索するプログラム側の意向を受け、講義は社会課題に積極的に関与するタイプの人文・社会科学系の研究を中心とした構成としました(講義でうかがった内容とプロジェクトのリンクは注のとおり)。
講師となったメルボルン大学の研究者は、社会課題とのエンゲージメントにより自らの研究を更新していくというプロセスを重視していました。参加したL-INSIGHTフェローなどは、生物系、情報系が多数でしたが、どの講義でも自身の研究と照らし合わせつつ非常に活発な質疑を行っていたのが印象的でした。オーストラリアでも賛否両論あるEIですが、総合知的思考が求められる昨今、従前の思考から一歩意図的に踏み出す実験的な仕掛けとしての可能性を感じました。
KURAでは今後もL-INSIGHTプログラムと共同で、世界視力をもつ研究者の育成を通じて本学の研究力強化に努めてまいります。

注:
講義でうかがった内容と各プロジェクトのリンク
1. 社会や研究の関係者と研究をつなげるためのアクション・リサーチの方法論
2. 実際に研究対象の北インド村落コミュニティと20年以上に渡りエンゲージメントをしてきた人文地理学者による動画制作の手法と現地コミュニティとの共創プロセス
3. アボリジニなどオーストラリア先住コミュニティとの対話を機関の目的の中核に置くオーストラリアセンターの活動
4. 障害のある若者の雇用問題を扱うアクション・リサーチ型プロジェクト
5. 住民同士の有機的なつながりを仕掛けるコミュニティ・ハウスの建設・設計と、完成後の住民との継続的対話によるコミュニティ形成プロジェクトの現場視察

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