京都大学 学術研究展開センター Kyoto University Research Administration

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科学コミュニケーション講座(2):「研究を伝える」とは?

07.01 (Mon)2013

研究者ではない人に、「研究について話してください」といわれたら、あなたは何を伝えようとしますか? 自分の研究分野の概要や、自分の研究テーマ、成果についてばかり語っていませんか?

研究者は近年、その責務の一環として「研究を伝える」ことを求められる機会が増えています。そのときに伝える内容について本学「国民との科学・技術対話」ワーキンググループは、以下の3 要素があると考えています。

  1. 研究の成果(知識・情報)
  2. 研究の営まれ方(プロセス)
  3. 研究を営む人(研究者)

「研究成果を社会のなかでどう利用すればよいか」「成果を生み出すにはどんな研究が必要か」「そもそも社会で求められている成果とは?」「成果が求められていない学術研究は進めなくてよいか」など、社会のなかで学術研究を進め、発展させていこうとした場合、こうした問いを避けては通れません。ともに社会を構成している多種多様な立場・職種の人たちと対話していく必要があります。そのときに研究成果のみを議題にしても、社会のなかでのコンセンサス(合意)を得ることはできないからです。学術研究の営まれ方や、それを担っている「人」についても含めて意見交換する必要であります。

では、研究プロセスや研究者の日常、心境について、具体的かつリアリティーに基づいて語ることができるのは誰でしょうか。それは、その研究を行っている当人(研究者)だけです。だからこそ、研究者自身がアウトリーチ活動を行う。その大きな意義に、多くの研究者が気づいてくださるとさいわいです。 (白井哲哉)

 

 

 

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