京都大学 学術研究展開センター Kyoto University Research Administration

↑

←

防災研究所 間瀬肇教授・安田誠宏助教

06.24 (Mon)2013

URAを日頃活用して下さっている学内研究者の方々に、「URAを利用して良かったこと」「今後URAに期待する事」をお聞きする「研究者インタビュー」。

第4回目は、宇治URA室において「津波・高潮・ゲリラ豪雨などの際に、開口部を閉鎖するのに電気などの動力を必要とせずかつ人為的操作も不要な陸上設置型フラップゲートの実用化完成」について広報支援を行った防災研・間瀬教授、安田助教にご登場いただきました。

 

インタビューアー:喜多山URA(宇治URA室)
      写真:吉岡URA(宇治URA室)
   構成・執筆:喜多山URA・田上URA(宇治URA室)​

 


喜多山URA(以下、喜多山)
本日はお忙しいところ、ありがとうございます。今回は先生の研究成果を報道機関向けに広報するお手伝いを、宇治URA室がさせていただきました。早速ですが、その感想や今後についてのご要望等をお聞きしたいと思います。
喜多山    
まず最初に、吉田時計台記者室での記者クラブ会員向けレクチャー、および共同研究企業、日立造船(株)においての実機披露について、感想をお聞かせください。
間瀬教授(以下、間瀬)
はい、反響は想像以上にとても大きなものでした。大手全国紙や業界紙、および関西圏や全国版のTV報道などで取り上げていただきました。NHK海外向けTV放送を含め、国内外の多くの方に情報を発信できたのでとても良かったと思います。

 

喜多山    
報道後の二次的な反響はどうでしたか?
間瀬    
研究者仲間からの反響もとても大きかったです。私の教え子で、現在は東海地方にいる研究者の周りでも、大きな反響があったと聞いています。
安田助教(以下、安田)
一般の方からもSNSを通して多くの反応がありました。技術内容に関する疑問に直接回答することもできました。宇治URA室のSNSアカウントでもリツィートやリンクのシェアをしていただきました。また、今回の発表について、防災研HPでもとりあげていただいたのですが、これに対しても一般の方から連絡があったと聞いています。

 

喜多山    
実際の報道で、伝えたい情報は正しく配信されていましたか?
間瀬    
今回は正しく伝えていただいたと思います。やはり、デモ機による動きを実際に見ていただいたのが良かったと思います。​
喜多山    
記者レクの後に、先生が多くの記者からの個別質問にとても丁寧に時間をかけてお答えになっていたのが印象的でした。
間瀬    
テーマが『防災』という一般にも関心の高いもので、記者の方にもニュースバリューを認めていただいたのだと思います。
喜多山    
今回の件について最初に先生からお話をいただいた時も、広報する報道機関にとってのニュースバリューが高くなるような発表にすることをお願いしました。
間瀬    
そうでした。今回は、共同研究先企業での実用化成功、実機によるデモのタイミングに合わせて、その科学的内容を記者向けにレクチャーするというふうに設定しました。
安田    
直後に、南海トラフ地震に関して内閣府から発表があり、多くの人の関心をひいたと思います。

喜多山    
ところで、今回の広報支援について、URAに依頼していただいたきっかけはなんだったのでしょうか?
間瀬    
はい、企業との共同研究の成果を大学からも広く発信したいと考えたのですが、そもそもどうしたら良いのか、学内手続きはどうなっているのか、あまり知りませんでした。
喜多山    
それで学術研究支援室にご連絡いただいたのですね?
間瀬    
そうです。アウトリーチや広報活動の支援もしてくれると聞いていましたので、まず、問い合わせてみました。
喜多山    
ありがとうございました。
間瀬    
ある懇親会でお会いした学術研究支援室の園部URAに問い合わせたのですが、宇治キャンパスでもURAが活動していたのですね?
喜多山    
はい、学術研究支援室は吉田キャンパスにありますが、昨年度から京都大学では全学7地区に部局URAが配備され、有機的なネットワークを構築しており、我々は宇治キャンパスでURA活動をしています。
間瀬    
担当事務、部局(防災研)広報室、本部の広報・社会連携推進室など関連する学内組織へのワンストップの窓口になってもらい、非常に助かりました。「顔の見える」距離にいて、いつでもすぐに部屋まで来てもらえた事もありがたかったです。

 

喜多山    
記者レクの準備段階で、何か困ったことはございましたか?
間瀬    
報道解禁日の厳密な設定などで企業側からの強い要望があり、その調整に苦労しました。一時は京都大学からの発表はできないのではないかとも思いました。
喜多山    
確かに大変でしたね。結果的には、反響が大きくなって企業側も喜んでいるでしょう。(笑)
間瀬    
私もそう思います。(笑)

 

喜多山    
現在、秋の宇治キャンパス公開(10/19~20)に向けて、このデモ機を用いた企画を進められているそうですが?
安田    
一般の人にももっと見ていただきたいという観点で、田上URAから提案いただきました。共同研究企業からも協力をいただけることになり、現在調整を進めています。
間瀬    
京都でも鴨川の洪水で想定される御池地下街の浸水に対しては、本技術が役立つと思います。ぜひ市民の方にも知っていただきたいです。
喜多山    
キャンパス公開に訪れる若い世代にも、実物を自分の目で見てもらうことで、大学での研究がどのように社会で役立つのかということを実感してもらいたいですね。
安田    
若い世代がSNS等を使って、口コミのような形で情報を発信してくれることにも期待しています。防災関連の情報がどのように一般に拡散していくのかをモニタリングする研究準備も進めています。

 

喜多山    
URAに対する要望・課題は何かありますでしょうか?
間瀬    
具体的にどのような支援をしていただけるかがわかりにくいと思います。例えば、今回の場合、広報・アウトリーチ支援とありますが、記者レクの実施に関しての細かい調整までをお願いできるとは考えていませんでした。こんなことまでお願いしてもいいのかなぁ、とためらったりもしました。
安田    
競争的資金の申請支援についても、何をどこまで手伝っていただけるかが、よくわからないのが実情です。
喜多山    
URA自身の広報活動がまだまだ足らないと思います。貴重なご意見をありがとうございます。今後改善をすすめ、多くの先生に認知され、適切な支援をさせていただくことで、本学の研究力向上に貢献していきたいと思います。本日はありがとうございました。

 

CLOSE